桜梅桃李



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『おれは歌だ おれはここを歩く』

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とてもすてき すてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき

とてもやさしく とてもすてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき

とてもすてき すてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき


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ずっと、ずっと大昔

人と動物がともにこの世に住んでいたとき

なりたいと思えば人が動物になれたし

動物が人にもなれた。

だから時には人だったり、時には動物だったり、

互いに区別はなかったのだ。

そしてみんながおなじことばをしゃべていた。

その時ことばは、みな魔法のことばで、

人の頭は、不思議な力をもっていた。

ぐうぜん口をついて出たことばが

不思議な結果をおこすことがあった。

ことばは急に生命をもちだし

人が望んだことがほんとにおこった ─

したいことを、ただ口に出して言えばよかった。

なぜそんなことができたのか

誰にも説明できなかった。

世界はただ、そういうふうになっていたのだ。


『おれは歌だ おれはここを歩く』 より抜粋
アメリカ・インディアンの詩 金関寿夫 訳 福音館書店

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by udonge7030 | 2013-06-27 19:11 | 未司書の世界

からすたろう

c0234001_117963.jpg息子(6年生)のクラスへ
本の読み聞かせにゆきました。
本日選んだのは、『からすたろう』。

物語の中にからすの声の描写があるので
練習していたら、息子にそれだけはやめてくれー
と念を押され、断念。(しかも上の息子にも
「やめなよ。子どものきもちを考えて!」と
釘をさされ。ぶう。)

からすの声は諦めましたが、練習を重ねて挑みました。子ども相手はなにせ緊張するものです。







勤務先の図書館では、返却された本を一冊一冊かならずチェックします。
当館の本か?(ときどき自宅の本、他市の本が混じっていることも
なかになにか挟まっていないか?(写真。手紙。請求書。お菓子のくず!…
汚れた本はふき、壊れた本は修理や買い替えし、書架へ戻します。

さて、『からすたろう』ですが、なにせ表紙が個性的で、全体的に地味です。
そんなわけで全く魅力を感じませんでしたがある日のこと、返却本の
チェックをしていました。ついでに少し読みました。全部読みました。
そうして泣きました。いまも、手に取るたびに学芸会のシーンでかならず
泣いてしまうのです。

読み聞かせの際には「絶対に泣かないように」ということだけ気をつけました。
選択の理由は、
①普遍的な内容である
②子どもたちにとってこれ以降の人生で出逢うことはないかもしれない。
  「たろう」はちょうど6年生、まさにうってつけ。
➂大好きな絵本。押しつけたいほどに。

作者のやしまたろうさんは、戦時中左派だったため身の危険を感じ、
アメリカへ渡ります。戦後は絵本を次々と発表し高く評価されました。
しかし、この本が日本で出版されるのは20年後のことでした。

作中の磯辺先生のモデルは、やしま氏のふたりの恩師だそうです。
そして、『たろう』のモデルは、子どもの頃の友人だと言われています。

新任の磯辺先生は、いつもひとりぼっちで、勉強ができず「ちび」と
馬鹿にされている「たろう」のユニークさ、生活の背景を知ってゆきます。
そして学芸会で、たろうの得意な「からすの鳴き声」を紹介したのでした。


「烏のなきごえ」

はじめに ちびは、かえったばかりの あかちゃんがらすを まねました。

つぎに かあさんがらすの なきごえを まねました。

それから とうさんがらすの なきごえを まねました。

あさ はやく、からすは、どんな なきかたを するのか、してみせてくれました。

また、むらのひとに ふこうが あったとき、どんなに なくかを してみせてくれました。

からすが うれしくて たのしいときには、どんなふうに なくかも
してみせてくれました。

だれの こころも、ちびが まいにち かよってくる とおい 山のほうに
つれてゆかれました。

おしまいに、いっぽんの ふるい木に とまっている からすを まねて、ちびは
とくべつの こえを だしました。「カアゥ ワァッ! カワゥ ワァッ!」

こんどは だれもかれも、ちびが すんでいる、とおくて さみしい ところを
はっきりと そうぞうすることが できました。


『からすたろう』 やしま たろう文・絵 (偕成社)より抜粋~


思えば、自分も少し変わった子どもでした。たいした目立ちもしなかったので、
馬鹿にされてはいなかったと思いますが、ぐずで、忘れ物が多く、女子という
自覚に乏しく、非常にマイペースだったので、祖父からはなまくら(怠け者の意)
と言われていたのです。

しかし、折々に出逢った先生は、あたしを可愛がってくれました。
担任の先生、日本舞踊の先生…。もうとっくに引退し所在もわからず、
亡くなったかたもいますが、しばしば懐かしく思い出すのです。

美しさは、いつも他者によって見出される。
一見ぱっとしない子も、めぐりあわせによって活き活きと輝くことができる。

恩師は磯辺先生のように素晴らしいわけではなく、ダメな先生もいましたし、
欠点だらけの方もいました。でも、たいていの先生は好きでした。
そんな先生への憧れが、あたしを講師業へと導いたのだと思っています。

(運動系の講師を辞し、その仕事にはまったく未練はありませんが、
またいつか「先生」ができたらいいなと願っています。)

『からすたろう』は、子どもがおのずから手に取ることは稀でしょう。
ひとりでも多くのおとなが、この本に出逢えることを祈りつつ。

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それにしても6年生、女の子はどんどん色っぽくなって、どきどきします。
男子はまだまだ子ども… わが子なんてやせっぽっちでまるで 蚊 のようです。

小学生時代を思う存分楽しんでね。
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by udonge7030 | 2013-06-20 11:12 | 未司書の世界

父のこと

父の日に、父にごめんと電話する。
誕生日に贈りものを送って、それほど月日が経っておらず、
すっかり忘れていたのだ。つまりは毎年こうなのだ。

父は酔っていた。
酔っているといっても、泥酔しているわけでも粗相をするわけでもなくただご機嫌で、
そういえば飲んでるね程度の雰囲気。
がしかし、水商売しながら店主が酔ってるのはダメでしょ、と娘は思う。

昨年帰省した際、父は開店準備をしており、夏だったので上半身裸だった。
下半身には、醤油だか酒造の名前の入った藍染めの前掛けをしている。
父は「娘、どうだ? 70にしてはいいからだしてるだろう」と言う。
面白いよ。たしかに他人からすると面白いだろう。

あたしよりチビなんだけど、適度にがっちりした体形。
肌には脂が乗っていて、たるみきってはおらず、齢の割にはきれい、かもしれない。

がしかし、あきれたわ。面白いの大好きなんだけど、ちいっとも面白くない。
「お客さんが来る前に、ちゃんと服を着てね」
そう言うのがせいいっぱいだった。

父は昔からわがままで、母の言うことをまったく聞かない。
なにかあると息子に相談をする。あたしの言うことには、少しは耳を傾ける。

商売は山あり谷ありだったけど、細々と続けてきたことは立派だと思うし、
親として感謝もしている。ひととしては、それもありだよねと思える。
でもほんと、全然いい父親じゃなかったなあ。

未だに娘にお小遣いをくれる。
母にはケチだけど、たまに会う娘には大盤振舞い。
見栄っ張りで飽きっぽくて、外面がよくて底が浅い。それが父。

そう、あたしにそっくりなんだ。だから、やだやだ-と思って努力してきた。
けれど、未だに敵わないなと思う。

そんな父が大好きだ。


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by udonge7030 | 2013-06-17 23:27 | 日々のあわ

ふたりで映画を

中3の息子と映画『探偵はBarにいる 2』を観に行く。
舞台は札幌、ススキノ。それだけの理由で観に行ったのだが(1は伴侶と観た)、
けっこうなバイオレンス。そういうのは苦手なので、「これは物語、これは物語…」
と自分に言い聞かせる。

おまけにおっぱいやおしりがたわわなラブシーンもあって、ちょっと気まずい。
ま、いいや。息子は大泉洋のファンなのだから。

お気に入りはドライヴシーン。
ちっちゃいポンコツ車で、樹々が色づいた峠を駆け抜ける様は
ルパーン三世を彷彿させる。
とぼけているけど、やるときはやる男・松田龍平のキャラが好き。

息子は最近、学校と部活だけは休まず行くが、それ以外はほとんど外出しない。
以前は誰でもいいから遊ぼうぜ! という感じだったのに。

たぶん、友だちがいないんだろう。
どうでもいいバカ話をする友だちはいるけれど、こころから一緒に過ごしたいと思える
彼や彼女はいないんだろうな。

だからたいてい本を読んだり、好きな野球チームについて調べものをしたり、
弟や猫をかまってごろごろしている。ひとにはそういう「溜め」の時間も必要だ。


さて、映画を観終わって、おなかが空いたというので寿司屋へ入った。
しかし、この男は遠慮というものを知らない。
生意気に美味しいものばかりよく食べる。

あたしは齢のせいか食が細くなってしまい、かわりに酒量が増えているので
気をつけている。最近はお肌の調子がよくない。

ぽつぽつ話をしながら、バカスカ食べて店を出る。
ときどきは、こうして1対1の時間を持ちたいと思う。

あたしはわがままなので、ポケモンの映画さえ観に行ったことがない。
野球もない。ぜんぶ伴侶が請け負っているのだ。

息子が小さなころ、『トーマスランド』へ行った写真がある。
しかし、写っているのは長男だけ。父子だけでお弁当を持って出かけたのだ。

その愛らしい写真を見るたび、胸がきゅうっとする。
いまや一緒にトーマスランドへ行ってくれる子どもはだれもいない。

子どもは待ってくれない。


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猫と三子。二枚めと三枚めとも言う。
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by udonge7030 | 2013-06-06 10:59 | 日々のあわ

いいじゃん

地域で鉄板で焼きそばを焼く日があって、一緒に作業をしていた
PTA本部の仲間(二男子の母)に、仕事何やってんの?
って尋ねたらこんな答えが返ってきた。

週3日近所で働いているんだけど、本部の仕事が全然できていなくて申し訳ない。
仕事のある日はくたくたで、うちは泥棒が入ったみたいに片づけが追いつかなくて。
だから、辞めさせてくださいって言ったけど、なかなか辞めさせてくれないから、
時短にしてもらったの。…


そのときあたしはこう思ったんだ。
辞めることない。辞めるのは自由だけど、仕事は続けたほうがいい。

仕事も本部も、替わりはいくらだっている。
でも、家事も本部も無報酬だよ。ありがとう、の言葉があればましなくらい。

本部の務めができなくて悪いなんて思わなくていい。
いいひとなんて思われなくてもいい。
できることをできるだけやってるじゃん。
いいじゃん。あたしはそれでいいよ。

だいたい女は欲張りなんだよ。
十分きれいなのに、自分はブスだと思ってるでしょ。
ダンナと愛しあっているのに、他のひとに片思いしてこっそり泣いてるし(笑

替わりなんていくらでもいる。だから気楽にいこうよ。
人生やりたいことだけじゃすまないけど、やりたいことやろう。

替わりなんていくらでもいる。美人や有能なひとはごまんといるわけで。
そんななかで、あなたと出会えてよかった。
好きなひとが、またひとり増えちゃった。

一緒に焼きそば焼いてビールなんか飲んじゃって、
エネルギー使い果たして昼間からぐったりして。
ああ、服にも焼きそばの匂い。ついでにススもついちゃったしょ。

でもさ 
いいじゃんいいじゃん♪


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by udonge7030 | 2013-06-04 10:23 | 日々のあわ


酒と 歌が あるから