桜梅桃李



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猫と女

女は小さな黒猫を拾いました。
やせてノミがたかっていましたが、ひるまず連れ帰って
ていねいに洗い、たっぷりと撫でてやりました。

仔猫にミルクを与えるために、昼も仕事場から自宅へ戻り、
夕べもつきあいを断って帰るという猫三昧の日々です。

ときがたち、黒猫はたいそう賢く美しく成長しました。
がしかし、ある日ふっといなくなりました。
女は待ちわびましたが、猫はとうとう戻りませんでした。

そのうち、女には恋人ができました。
ふたりはお互いに離れがたく思いあうようになり、一緒になりました。

実は、旦那さまはあのときの黒猫なのです。
ぐっすり眠ってしまうときだけ、無防備に本当の姿をさらしてしまうのでした。

女はびっくりしましたが、知らんぷりを通しました。
ふたりは、とてもしあわせだったのです。



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by udonge7030 | 2013-05-27 07:36 | 偏愛劇場

一色海岸

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2年ぶりの一色海岸。
なにもかもなげうって、なおたん(自分)を海へ連れてってやりたかった。
海岸でヨガでもして、うたを唄って過ごすのだ。
横須賀線に乗って逗子へ行こう♪

友人から
「優雅だね。いま座布団カバーを洗って干すところ」とメイルが来たが、
優雅なんかじゃない、ただのアホだからと返事をした。

逗子から、葉山の県立美術館へ行くバスに乗る。
海岸線を走るバスからの眺めが好き。
美術館の展示は観ずに、お手洗いを借りて庭へ出る。
目の前は海。ざぶん。塩の香り。

いい波が来てるのだろうか。沖には思いのほかひとが見える。
砂浜には、でっかい黒い犬を連れた水着の彼女。釣り人。
裸の子どもを遊ばせながら寝転んでいる白人の家族。

おっぱいはふくらんでいないのに、裸の女の子の目のやり場に困る。
男児のほうのフルチン(フリチン?)は平気なのに。

さすがに大声は恥ずかしいので、小声で唄った。
サンダルを脱いで、水際を歩いたらパンツのすそが濡れた。

砂をはらって、逗子行きのバスを待つ。

いつか、また。


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by udonge7030 | 2013-05-22 11:25 | 日々のあわ

P

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PTA本部の役員になった。

立候補するはずはない。推薦も受けていない。
たまたま友人Mが会長に立候補し、一本釣りされたという感じである。
あたしに声をかけるなんて、よっぽど決まらないのだろう。しゃーない。
友人の切実さに圧倒された。

とりあえず過去のデータを見ながら踏襲する。それが第一歩。
目下の課題は、まわりのひとに関心を持つこと。
子どもたちや保護者、近隣の方々の顔と名前を覚えること。

働いている間に、子どもが誰かの家に上がり込んでお菓子を食べている。
ソフトボールの練習が終わったあとに、誰かが飲みものを差し入れてくれる。
子どもはいちいち報告しないので、おれいを言いそびれてばかりいるが、
そんなささやかな支えがあって、あたしは生かされている。

子どもの頃、母はPTA会長を務めていた。頼まれると断れないひとだ。
当時、毎日朝帰りの父親と厳しい舅姑のいる中、自営業を切り盛りし、
リウマチの痛みに耐えながら、子どもを育て上げた母。

行事などの際に母が壇上で話すのが恥ずかしかった。
自分にとってのいいお母さんは、いつもにこにこしていて、美味しいごはんを
作ってくれるひと。母は料理上手だったが多忙なため、食事の支度は
祖母が担当していた。祖母は調理が下手だったので、美味しいものが
食べたくて、きょうだいは自然に料理を覚えた。

時は流れて、自分も役員をやっている。
料理は好きだが手抜きばかりだし、ぶうぶう怒ってばかりの母親だ。

役員仲間は、それまでほとんど話したことのないひとたち。
まだ未知だけど、ひとりひとりがとてもいい感じでほっとしている。
ひとりひとりを大切にしている、友人Mの信力は確かだ。

親と教師と地域。そもそもPTAは必要なのか。
なぜに毎年役員のなり手がいないのか。
PTAはいったいなにをやってきたのか。
じつは全然わかっていない。

この一年、よく考えつつ、話を聴き、正直に伝え、笑顔で締めくくれればいいなと
願っている。

ただの親同士、ただの保護者と教師同士、ただの住人同士が通じ合えたなら
う~ん、それは恋愛以上にきもちいいだろうな。

わかりあえなくてもいい。あなたはあたし、なのだから。
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by udonge7030 | 2013-05-22 10:40 | どんげがゆく!

闘うことより遊ぶこと

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子どもたちの力作!

拾った猫たちは、そろそろ1才になる頃。

黒猫のトラと、キジトラ猫のリュウ。
リュウは少々お馬鹿さんで臆病者だが、それはそれで可愛いし、
日々甘え上手になってきている。

トラのほうは大変賢い猫だ。
マンションの隣りの隣りの奥さんに、後ろ足で立ち上がって甘えているのを
見たことがある。猫嫌いなひとに近づいて痛い目に遭わなきゃいいんだけど。

家猫はネズミを捕るという役割もあったんだろうが、
あのひと懐こさで生き延びてきたんだろう。
闘わず、逃げず、「とりあえず一緒に遊ぼうにゃん! にゃん♪」
もしかしたら、一部の人間よりずっと知的なんじゃないかな。

猫は、話しかけてもなにも答えてはくれない。
だけど、とっても聞き上手で聞き流し上手。

そして、どんなときも美しい。
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by udonge7030 | 2013-05-08 12:01 | 日々のあわ

へその緒

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昨日は45才の誕生日。
はあ…それなりの熟女だべさ。それなりに!

風に花やはっぱの匂いが入り混じるこの季節が好き。
故郷では、ちょうど桜とライラックが見頃なはずなんだけど、今年は遅いみたい。

大風の中、自転車で友人宅へ。
連休中を伊豆大島で過ごした彼女は、ダンナさまがもりで突いたお魚を
刺身にして振る舞ってくれた。

たぶん、東京のお店には並ぶことのない地元のお魚たち。
「お、美味しい…」
酢飯とともに頬張って、とりとめのない話をするひとときは最高の贈りもの。

話の内容は、ほとんどがエッチな話。
自分は友だちが少ないが、いい友だちになれる条件があるとしたら、
エロ話を楽しく誤解なくできるということだろう。


花束をくれたひと。
ハンカチをくれたひと。
猫の絵を描いてくれたひと。
歌を唄ってくれたひと。
(あ、みんな家族です)

メッセージをくれたひと。
幾つになってもやっぱりうれしい。みんな、みんな、ありがとう。

なんにも関わりのないひとにも、ありがとうね。
居るだけでいいの。元気ならなおいい。
あたしは毎日祈ってる。
いまはなんにもできないし、伝わらなくてもいい。
でも、思わずにはいられないひとたち。

旧里や臍の緒に泣くとしの暮  芭蕉

父と母が愛しあって産まれ落ちたこのいのち。
そういえば、あたしのへその緒どこにあるんだろ。

あたしのおへそは、ここにある。
あたしの思いは、自由自在に飛んでゆく。



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by udonge7030 | 2013-05-08 09:27 | 日々のあわ


酒と 歌が あるから