桜梅桃李



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故郷 1

8月の下旬、子どもたちを連れて実家へ帰った。

義妹が三人めの子どもを出産し、ひと月しか経っていないので遠慮しよう
と思ったのだが、母はダイジョウブだと言う。
わが家の一子は来年受験生。無邪気に遊べるうちに遊びにおいで、と。

折々三男児の母親は大変だろうと問われる。
自分もちっともいい母親ではないのだが、気分はまるで三蔵法師である。
ブタ、河童、サルと共に駅へ向かう道すがら、ここでケンカをしたら飛行機に
乗り遅れるんだからねと言い聞かせる。

リムジンではブタと河童、サルとあたしの組み合わせで座った。最悪なのは、
一子豚と三子猿のコンビである。ブタと河童は、どちらが窓際へ座るかで
またひと揉め。

空港では、しこたまお土産を買う。北海道は美味しいものが豊富なので、
羽田でお土産を選ぶのはいつも一苦労だ。

飛行機では、窓際からブタ・河童・三蔵が並び、通路を挟んでサルを配置。
サルの向こうは、よその大人である。すると、今はダメだと言ったのに、
ペットボトルを開けてしまい、気圧の影響で水が大量に本人だけに降りかかる
という失態を犯した。

三子はその件で疲れたらしく、可哀想に、その後着替えもせず大人しく眠っていた。


そうこうして、千歳へ到着。
母が四駆を飛ばして迎えに来てくれた。

御年69歳。父とは別居しているが、一緒に商売を続けている。
一昨年大手術をし、入院も長引いたが、お蔭さまで元気にやっている。
しかし、心臓に負担がかかると苦しいらしく、長い距離を歩いたり、
重い荷物は持てなくなった。

その後約束があったので、そこでみんなと別れた。
飛行機が遅れたので、時間に余裕がない。

札幌・円山方面へ移動。
夕闇に小雨が降る中、このひとに逢いに行ったら人生おしまいだろう、
と思っていた方に面会に行く。(不倫じゃないよ 

歩いている道路の反対側に、神宮が見える。
樹木が茂り、靄がかかっていて、とても荘厳な雰囲気だ。

面会が終わり駅に向かう頃には、ほとんど人がいなかった。
円山のィ夜~♪ (こんな唄はありません 
そこから一転、大通りへ。

一年ぶりの友人と逢う。
気の利いたお店で北海道料理を食べて、お互いの父親の悪口とか、
義母やダンナのこと、美容や更年期の話をする。

こういうどうでもいい話を、慈しみながら話し聴ける相手は、滅多にいない。
友人は元気そうだった。

中年の女が自分に手をかけて、きれいにしていることは、とても大事だ。

久しぶりに会ったときに老け込んでいたりするのも、お互いにそろそろ
仕方のないことだが、そこで開き直ったり諦めているのは、とても悲しい。
かといって弱みを見せず頑張っているのも、痛々しいものだ。

帰りは思いがけず、友人のだんなさまが登場、家まで送ってくれた。
車は銀のベンツ、音楽はマイケル・ジャクソン。社長、相変わらずだな。
社長が道を間違えてくれたので、少しだけ長いドライブになった。
ありがとう。ありがとう。


家へ入ったら、すでにみんな眠っていた。
どこからが、ふがふが音がする。赤ん坊だろうか。飼犬だろうか。

違う、二番目の弟だ。
弟はあたしよりチビだが、巨体なんである。
その弟が、布団も敷かず床に大の字になって寝ている。
傍らには、ぶら下がるサンドバッグ。仕事と育児で、お疲れのご様子なのだ。

生来太め、そのうえ格闘技をしている前後左右に厚い腹の上で、
暗闇のなか、携帯電話がきらめいている。

なんとも不気味な再会。(つづく
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by udonge7030 | 2012-09-19 10:08 | 日々のあわ

喫茶みよし@京王多摩川

昨日は、伴侶ともどもお休み。
どこにも出かけず、猫たちとごろごろ過ごしました。

お昼は家でジンギスカンとビールをすこし。
午後は、多摩川沿いを自転車で走りました。

風も秋めいてきて、かき氷も食べおさめかな。『みよし』にいってみない? 
と誘うと、「知らないよ~」ですって。

『喫茶みよし』は、小柄で笑顔の愛らしいおばあちゃんが
ひとりで切り盛りしているお店で、とくにたいやきが美味しい。

皮が薄くてぱりっとしていて、あんこにしっかり風味がある。
近所にもいくつかたいやき屋さんがあるのですが、
あんこ味だけはここが絶対におすすめ。
(このお店は、あんこしか作らないの。

小さくて、ひなびていて、ひっそりとしたお店ですが、40年続いています。

氷あずきを食べました。
昔ながらのさらさらした氷に、たっぷりのあんこ。
世間話をしながら、のんびりといただきます。

たいやき 130円
氷あずき 500円

他にもいろいろあります。
京王多摩川駅を降りて(京王閣の臨時口から出ちゃだめ)右手、
信金の裏の通りにあります。

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by udonge7030 | 2012-09-19 08:19 | 日々のあわ

てるてるぼうず

雲からも風からも 透明な力が そのこどもにうつれ   宮澤賢治

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昨晩のこと。
めずらしく息子たちが真剣に祈っていました。

明日は晴れますように
という願いのこもった、
てるてるぼうずがいっぱいできました。

息子たちは、ごほうびのお菓子がめあてらしい。

じゃあさ、お菓子買ってあげるから、お神輿やめれ
って言ったら、

ともだちと一緒だから楽しいんだもん。
ですって。


雨よ。
子どもたちが練り歩く間だけ、しばしお休みしてください。
あたしの祈り。
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by udonge7030 | 2012-09-16 09:39 | 日々のあわ

児童担当となりました

児童文学は、やり直しがきく話である。

生きててよかったんだ、生きていいんだ、というふうなことを、
子どもたちにエールとして送ろうというのが、
児童文学が生まれた基本的なきっかけだと思います。


世田谷文学館企画展『岩波少年文庫の50冊』展示にて
選者・宮崎駿氏の言葉より抜粋

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図書館で働きはじめて、半年が過ぎました。
そして、子どもの夏休み中に、成人係から児童サービス担当へ替わりました。

児童係になることは、願っていたことでした。
しかし、職場にはかなりの人数がおり、キャリアのあるひとが言うには、
希望の場所に配置になることはほとんどないのよ、とのこと。

たまたま同期だったひとが辞めてしまい(とても残念で寂しいことでした)、
そのタイミングあっての異動です。

当初、図書館の仕事には、やりがいを求めていませんでした。
若い頃から、あまりにもやりがいとか生きがいを問い続けてきて、
そんなものはもういらないのかもしれないなあ、と思うようになったのです。

しかし、児童担当はめちゃめちゃやりがいのある仕事なのでした。
まず、児童書全般に対しての知識が必要です。
本の概要を知っていないと、利用者のニーズに応えられないからです。

「小学校3年生の読み聞かせにふさわしい本はどれでしょう?
しんみりよりも、面白い話がいいんですけど…」

「子どもにトイレでうんちすることを促す本はありますか?」

「王様の本はありますか?」(子どもの質問
等々。

それから、展示の作成があります。
時節に沿ったテーマを決めて、それに沿った概要の本を集めるのです。
たとえば、オリンピック。おしゃれ。自由研究向けの本・・・などなど。

ディスプレイ用に折り紙、切り紙、粘土細工、縫いものなんかも
するようです。まるで、保育士さんにでもなったような気分。

でもね、子どもの相手は、かなり楽しいんです。
また、いろんな親御さんが来るので、感心したり考えさせられることも多いです。

子どもの本には本の破れ、ぺージの脱落などが山ほどあって、その都度修理をします。
専用のテープやボンドでちまちま直す作業は、かなり瞑想チックでお気に入り。
上の空でやるとかならず失敗するので、それこそラブレターを書くように一投入魂、
目の前の本だけを思ってやっています。

この図書館の美点は、働くひとたちの気立てのよさ。
みなさん本当に謙虚で、親切で、礼儀正しいのです。

まだまだできないこと、わからないことが多いけど、ようやく水に馴染んだかな
という感じです。

ただ、女性は年齢を言わないことになっているのが暗黙の了解になっていて、
その点だけが不思議。なんでだろ?
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by udonge7030 | 2012-09-11 10:45 | 未司書の世界

ただ一緒にいること

どんげです。


あるとき、お産を迎えるにあたって退職したひとが、
ずうっと働いてきたので、これから家でどうやって過ごせばいいの?…
と仰っていました。

仕事を辞めると、地域で過ごすことが多くなります。
都市部では、ご近所の顔を知らないことも多いけれど、
子どもを授かることで、地域のサービスや行事への参加も増えてきます。

近所に頼れる親や知人がいるひとはいいけれど、
旦那さまの帰りが遅かったり、ひとりで育児をしなければならないかたは、
とても心細い思いをすることがあるかもしれません。

この頃はツイッターやfacebookなど、家に居ながら同じ思いのひとと
繋がれるツールが増えてきました。使い勝手はともかく、歓ばしいことなのかな。

ある哲学者が言いました。
自立とは、支えあい、頼りあうこと だと。

わたしたちは経済的に、精神的に、自立しなさいと言われて育ちました。
否、それはあたしの個人的な思いこみなのかも。
それがどれだけ自分を苦しめてきたことか。

育児も介護も、一対一はしんどい。

あたしは頼りベタだったけれど、近所のひとや仲間がいっぱい助けてくれました。
もちつもたれつ、くんずほづれず、人知れず…

その後、それっきりになってしまったひとも多いけど、
ときどきふわっと蘇るのです。
忘れてたんだけど、忘れてないんだ。

育児は、プロセスそのものです。
対して仕事は、結果を求められるもの。
育児には、仕事のような達成感はないかもしれない。
誰も褒めてくれないし、ありがとうといってくれないかもしれない。

だから、感じることが大切なのです。

動き回ることをよしとしていたあたしにとって、授乳は苦痛でした。
体感的にはきもちいいし、赤ん坊は可愛い。
でも、じっとしていると損しているようなきもちになって、おっぱいあげながら
本ばっか読んでいたんだ。

ただ一緒にいる。
これって、すごく贅沢なことなんだよね。

いるだけでいい。

なんだか恋愛みたいだけど、振り返ってみると
それが赤ちゃん暮らしの醍醐味のような気がする。

ただ、いるだけ。
いるだけで、しあわせ。

ヨーガの醍醐味も、そこにあります。
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by udonge7030 | 2012-09-09 21:50 | 繁殖記


酒と 歌が あるから