桜梅桃李



カテゴリ:未司書の世界( 19 )


チーム図書部!

職場の図書館は部活動っぽく、たとえていえばバスケ部。

子どもの頃は運動嫌いで、とくにバスケは大嫌い。
トロくさく、とっさの判断力に乏しいので全く楽しめないのであった。

がしかし、いまの職場はそんなふう。
図書館というと静かに座っているというイメージだろうが実は力仕事。
ときには時間との戦いであり、常に仲間の援けが必要だ。

毎日、どんな球が飛んでくるかわからない。
先日は坊主頭の少年に「トンボロ現象の自由研究をしたいので、本を教えてください」
と尋ねられ、早々手に負えないと判断、ベテランの司書Mさんに引き継いだ。

カウンターで検索をかけていると、書架の向こうで声がする。
「こういうときは、まず百科事典をひきましょう!」
ふたりでああだこうだやっている。なるほど、楽しそうだな♪ 

ちなみにトンボロとはこんな現象。初見だったよ。
あたしの脳内は一瞬でパラダイスへ。いつか訪ねてみたいものだわ。

ここの図書館は居心地がよく、とくに年配の男性が多い。
のべ何十人? 何百人? この日は9時間を3人でまわした。
どんなに慌ただくても優雅に、穏やかに、ていねいにというのが自分のテーマ。
なぜならここは図書館なのだから。

家に戻るとヨレヨレ、キッチンに立ちながらビールを飲む。
最近は子どもたちと『スラムダンク』を奪い合って読んでいる。

図書部は最高のチームだと自負しているが、
わが家のチームの方は皆わがままでファウル出まくり。

明日から帰省。
楽しみだけどちょっと憂鬱な母なのであった。


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2年前に実家の近所で撮った姪の後ろ姿。
白樺の林をゆくというそれだけで
北国の夏。
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by udonge7030 | 2014-08-17 08:58 | 未司書の世界

こっそり春画

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今にもこぼれそうな瞳の、しかしやることは男前の職員さんに尋ねられた。
「書架の前でこっそり春画を見ている子がいるんですよ。10才くらいでしょうか。
近くを通ると、慌ててほかの本を手に取ったりして誤魔化しているんですけど、
どうすればいいでしょうか」

男児の母と見込んでの相談にあたしは答える。
放っておきましょう! つまりは、見守りましょ。

自分のやり方が正しいとは思わない。
けれど、親でも教師でもないものが、なんと言えばいいのだ。
マグワイに関心を持つことは、恥ずかしいことなのか?

ここで声をかけたら、恐らくその子は二度と来ないだろう。
そんな無粋なことはしたくない。しかしまあ春画とは、恐れ入りました。

もしも、大勢で見ていたらアウトですね。
みっともないし、図書館で盛り上がるのは論外よ。

では、週刊○ストとか週刊○代をこっそり覗いてる場合は?…
ダメです。雑誌書架でこっそりはありえん。
恥じらいのない子には、きっぱり注意するしかありません。


なぜ春画ならいいのか、こっそりならいいのか。
グラビアはダメなのか。その線引きはどこにあるのか。説明は難しい。
難しいという言葉でごまかしたくないけど、ひとりでこっそりと、
恥ずかしいという自覚がある子どもに禁忌を突きつけるのはいかがなものか。

明確な答えは出ないまま、悩みつつもピースしてみる。
夏至はもうすぐ。
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by udonge7030 | 2014-06-18 19:02 | 未司書の世界

『思い出のマーニー』

職場の先輩がいいよって言ったので、岩波少年文庫『思い出のマーニー』を読む。
ん~、本当じゃった。よかった。でも、なんといったらいいのだろう。
今年は映画にもなるそうです。

アンナは優しい夫婦に引きとられたが、死んでしまった祖母や母親のことを恨んでいた。
ひとのきもちがよくわかる繊細な子どもだが、感情をうまく表現できない。
しかし、不思議な少女マーニーとの出会いをきっかけに、彼女本来の姿を
取り戻してゆくというあらすじ。

誰もが、多少の孤独感を抱いているのだと思う。
しかし、本当はみんな祝福されてこの世に生を受けたのだ。
どんなに寂しくても悲惨でも、直接手を差し伸べてくれる者がいなくても
どこかで見守っている、あなたを呼んでいるなにか。

それは神かもしれないし、仏性かもしれないし、ときには恋人や友だちであったり、
星であったり、猫や花であったり、(酒かもしれない…)音楽や書物であったり
するかもしれない。

そんなことを大切に思ったり、信じている者にとっては、たましいに響くでしょう。
そして、ひとりぼっちのひとに読んでもらいたい。これはただの友情物語ではないのよ。

あたしにも「マーニー」がいます。
ずうっと居たんだけど、気づいたのは大人になってから。
ここにも居るし、そこかしこにいるの。

そして、誰にとっても「マーニー」は居るのです。きっとね。

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新学期。息子たちは小3、中1、高1となり、めちゃめちゃ効率が悪い。

高校生男子へのお弁当作りは、初日からひどい事態。
地味な弁当(?)が気に入らないらしく「あ~あ、先が思いやられるよ」ですって。
鶏と野菜の煮物、卵焼き、ほうれん草の胡麻和え、プチトマト、ひじきごはん…。
美味しかったんだけどな。家族が出かけた後、やっぱり少し落ち込んだ。

でも、そんな息子のお蔭で、ダンナと自分のお昼ごはんも潤い、
すこぶる健全なスタートを切ることができた。
異動の地は野川沿い。自転車で片道20分弱をびゅうびゅう走る。
川べの花や鳥たちも歓迎してくれているみたい。

そこは小さな図書館だけどなるほど、市内で一番慌ただしいという。
高齢者と子どもが多い。利用者との距離が近い。職員同士の距離も近い。
新人同様にじたばたしながら、だけどなんとなく、いい予感がするのです。
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by udonge7030 | 2014-04-14 14:14 | 未司書の世界

『月夜のみみずく』

三月いっぱいで去った児童室は、まさに図書館のなかの陽だまりだった。
離れてみると、自分が愛していたもの、頼りにしていたひとがはっきりと見えた。
異動が決まった際に、先輩方から「絵本を一冊贈りたい」との申し出があり、
迷わず『月夜のみみずく』をリクエストした。

みみずくに あうときは
おしゃべりは いらないの
さむさも へっちゃらなの
あいたいな あえるかなって
わくわくするのが すてきなの ─
それが とうさんに おそわったこと

月が まぶしく かがやく夜に
なんだか わくわくするものが
しずかに つばさをひるがえし
ひかりのなかを とんでいく


偕成社『月夜のみみずく』ヨーレン詩/くどうなおこ訳 より抜粋


北海道で生まれ育ったが、ふくろうやみみずくに遭遇したことはほとんどない。
でも一度だけ、身近だったことがある。ある嵐の日に、祖父が、傷ついて
下水道にはまっているみみずくを拾った。どこからかカゴを手に入れ、
ためしに魚肉ソーセージなどを与えてみたが食せず、生きたネズミなどを
あげるようになった。当時のわが家には、ねずみがたくさん出たので
まったく不自由はしなかったのだ。

みみずくはおとなしく、たいてい目をつぶっており、動じない。
カゴは店(自営業だった)の入り口脇に置かれ、昼間は布をかけて目隠ししていた。
しかし、ある日居なくなっていた。たぶん、野生動物を保護するところへ行ったのだ
と思う。自分は「さようなら」もできずに、寂しい以前に気が抜けた。

さて、この本はやはり地味なので、子どもがおのずから手に取ることは少ないだろう。
一度、わが子の通う小学校の特別支援学級で読み聞かせをする機会があった。
淡々としているので退屈かしらと思ったが、子どもたちはちゃんと耳を澄ませて
反応してくれた。

ことばは、そのまんま音楽だ。
詩人のくどうなおこ氏の訳による文体は七五調のリズムで(絵も素晴らしいのだが)、
目を閉じて聴いても情感にあふれている。

ひとりで、声に出して読んでみるのもいいね。
(ウイスキィソーダなんか飲みながら…

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頂戴した絵本の最後のページに、きれいな切り紙と、先輩方からの贈る言葉があった。

スタイリッシュな どんげさん
群れず 愚痴らず へこたれない
すっくと立って アーハハハと豪快に笑い
カウンターでアタフタしてると サッと傍らに立って助けてくれる
凛としたステキな女性だと思います

一緒に仕事出来なくなるのは 淋しいですね
またどこかで 一緒にお仕事出来るといいですね
また いつかどこかで

たくさんの愛を ありがとうございました


あ~あ、あたしこんなに立派でもカッコよくもないんだけど、
まさにこういう働きぶりを目指していたんだと思う。
けっしてお世辞じゃなくって、こころからの言葉なんだ。

読みながら、声をあげて泣いた。
布団に入っても、泣いた。
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by udonge7030 | 2014-04-12 17:09 | 未司書の世界

『おれは歌だ おれはここを歩く』

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とてもすてき すてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき

とてもやさしく とてもすてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき

とてもすてき すてき

おいらの母たちが

女のダンスをおどるとき


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ずっと、ずっと大昔

人と動物がともにこの世に住んでいたとき

なりたいと思えば人が動物になれたし

動物が人にもなれた。

だから時には人だったり、時には動物だったり、

互いに区別はなかったのだ。

そしてみんながおなじことばをしゃべていた。

その時ことばは、みな魔法のことばで、

人の頭は、不思議な力をもっていた。

ぐうぜん口をついて出たことばが

不思議な結果をおこすことがあった。

ことばは急に生命をもちだし

人が望んだことがほんとにおこった ─

したいことを、ただ口に出して言えばよかった。

なぜそんなことができたのか

誰にも説明できなかった。

世界はただ、そういうふうになっていたのだ。


『おれは歌だ おれはここを歩く』 より抜粋
アメリカ・インディアンの詩 金関寿夫 訳 福音館書店

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by udonge7030 | 2013-06-27 19:11 | 未司書の世界

からすたろう

c0234001_117963.jpg息子(6年生)のクラスへ
本の読み聞かせにゆきました。
本日選んだのは、『からすたろう』。

物語の中にからすの声の描写があるので
練習していたら、息子にそれだけはやめてくれー
と念を押され、断念。(しかも上の息子にも
「やめなよ。子どものきもちを考えて!」と
釘をさされ。ぶう。)

からすの声は諦めましたが、練習を重ねて挑みました。子ども相手はなにせ緊張するものです。







勤務先の図書館では、返却された本を一冊一冊かならずチェックします。
当館の本か?(ときどき自宅の本、他市の本が混じっていることも
なかになにか挟まっていないか?(写真。手紙。請求書。お菓子のくず!…
汚れた本はふき、壊れた本は修理や買い替えし、書架へ戻します。

さて、『からすたろう』ですが、なにせ表紙が個性的で、全体的に地味です。
そんなわけで全く魅力を感じませんでしたがある日のこと、返却本の
チェックをしていました。ついでに少し読みました。全部読みました。
そうして泣きました。いまも、手に取るたびに学芸会のシーンでかならず
泣いてしまうのです。

読み聞かせの際には「絶対に泣かないように」ということだけ気をつけました。
選択の理由は、
①普遍的な内容である
②子どもたちにとってこれ以降の人生で出逢うことはないかもしれない。
  「たろう」はちょうど6年生、まさにうってつけ。
➂大好きな絵本。押しつけたいほどに。

作者のやしまたろうさんは、戦時中左派だったため身の危険を感じ、
アメリカへ渡ります。戦後は絵本を次々と発表し高く評価されました。
しかし、この本が日本で出版されるのは20年後のことでした。

作中の磯辺先生のモデルは、やしま氏のふたりの恩師だそうです。
そして、『たろう』のモデルは、子どもの頃の友人だと言われています。

新任の磯辺先生は、いつもひとりぼっちで、勉強ができず「ちび」と
馬鹿にされている「たろう」のユニークさ、生活の背景を知ってゆきます。
そして学芸会で、たろうの得意な「からすの鳴き声」を紹介したのでした。


「烏のなきごえ」

はじめに ちびは、かえったばかりの あかちゃんがらすを まねました。

つぎに かあさんがらすの なきごえを まねました。

それから とうさんがらすの なきごえを まねました。

あさ はやく、からすは、どんな なきかたを するのか、してみせてくれました。

また、むらのひとに ふこうが あったとき、どんなに なくかを してみせてくれました。

からすが うれしくて たのしいときには、どんなふうに なくかも
してみせてくれました。

だれの こころも、ちびが まいにち かよってくる とおい 山のほうに
つれてゆかれました。

おしまいに、いっぽんの ふるい木に とまっている からすを まねて、ちびは
とくべつの こえを だしました。「カアゥ ワァッ! カワゥ ワァッ!」

こんどは だれもかれも、ちびが すんでいる、とおくて さみしい ところを
はっきりと そうぞうすることが できました。


『からすたろう』 やしま たろう文・絵 (偕成社)より抜粋~


思えば、自分も少し変わった子どもでした。たいした目立ちもしなかったので、
馬鹿にされてはいなかったと思いますが、ぐずで、忘れ物が多く、女子という
自覚に乏しく、非常にマイペースだったので、祖父からはなまくら(怠け者の意)
と言われていたのです。

しかし、折々に出逢った先生は、あたしを可愛がってくれました。
担任の先生、日本舞踊の先生…。もうとっくに引退し所在もわからず、
亡くなったかたもいますが、しばしば懐かしく思い出すのです。

美しさは、いつも他者によって見出される。
一見ぱっとしない子も、めぐりあわせによって活き活きと輝くことができる。

恩師は磯辺先生のように素晴らしいわけではなく、ダメな先生もいましたし、
欠点だらけの方もいました。でも、たいていの先生は好きでした。
そんな先生への憧れが、あたしを講師業へと導いたのだと思っています。

(運動系の講師を辞し、その仕事にはまったく未練はありませんが、
またいつか「先生」ができたらいいなと願っています。)

『からすたろう』は、子どもがおのずから手に取ることは稀でしょう。
ひとりでも多くのおとなが、この本に出逢えることを祈りつつ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それにしても6年生、女の子はどんどん色っぽくなって、どきどきします。
男子はまだまだ子ども… わが子なんてやせっぽっちでまるで 蚊 のようです。

小学生時代を思う存分楽しんでね。
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by udonge7030 | 2013-06-20 11:12 | 未司書の世界

流れる

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勤務する図書館に、異動情報が飛び交う。
嘱託職員とはいえ準公務員なので、なんと異動があるのだ。
いままで好き勝手に生きてきて、バイトかフリーか、正社員でも小さな会社
ばかりだったので、「辞令」というものがめちゃめちゃ新鮮である。

あたしは同じ部署で継続となった。
しかし、異動してくる方々がいる。その方に仕事の内容を教える能力が
自分にはまだない。このひと月で覚えなければいけないことが山積みだ。

分館へ去る人、違う部署へ行く人。
移ってゆくAさんは、憧れのひとだ。
そのひとがぽつりと言った。 「書架から離れるのが寂しい…」

図書館にも事務係やハンディキャップサービスなど、本から遠い仕事もある。
書架とは本棚、つまりは本そのものである。ひとではない、本なのだ。

もちろん関心のない本、つまらない本もある。
それにしても、書架のあいだをうろうろするのが大好きだ。
本を探したり、戻したりする、あの達成感のない仕事がけっこう好き。
たぶん、Aさんもそうなんだろう。

そのひとは、休日に本にまつわるイベントに出かけては、よかったからと
すすめてくれたり、作家さんに関する記事の載った資料を持参してくれたり、
有能で面倒見がよい以前に本当に本を愛している。
無駄口はあまり叩かず、無駄に笑わない。女スナフキンのようなひと。

自分はプライドが高いので、助けてとか、失敗しましたと言うのが苦手なのだが、
そのわりには失敗が多い! でもここには、それを支えるシステムがある。
つまりは、みんなでなんとかする。

誰が失敗しても嫌な顔をしない。(しかし、注意はその場でこってりされる。
ひとの美点に対して敏感である。どんないいことも悪いことも、嬉しいことも
残念なことも、本と一緒に流れていく。その流れを止めてはいけない。

職場には未だにごく親しい人はいない。でも、居心地がいい。
カウンターの裏では、喋りたければ喋ればいいし、可笑しければ笑うし、
黙って作業をしていても誰もじゃましない。あたしもじゃましない。
本がうまい具合に流れていけば、それでいいのだ。

みなさん一見地味だが、知的でオタクで偏愛体質なので、話はすこぶる面白い。

がしかし、素敵なひとは女ばかりなのはどうしたものか。
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by udonge7030 | 2013-03-05 11:07 | 未司書の世界

バレンタインの本

某図書館に勤務して1年が経ちました。

昨年の夏に成人→児童へと担当が替わり、当初は嬉しくって小躍りしましたが、
仕事がありすぎて覚えられず、まだ慣れません。

今月は初めて展示を担当、テーマはバレンタインです。
ふさわしい本をピックアップしたり、ポスター制作などのディスプレイをします。
うんうん悩みますが、とても楽しい仕事です。

でも、チョコやバレンタインにまつわる本などそうそうありません。「贈りもの」「好き」で
キーワード検索したり、恋や愛の本も加えることにしました。
たった10日あまりの展示ですが、一冊でも多く手に取ってくれますように、と願いつつ。

小学生低学年向けでは、森絵都さんの『にんきもののひけつ』『にんきものをめざせ!』
が人気です。これはことさらアピールしなくてもいいほどよく出るのですが、
子どもに借りるふりをして読んでみてほしい、かわいい恋のお話。

絵本では、ロングセラー『しろいうさぎとくろいうさぎ』『どんなにきみがすきだか
あててごらん』はもちろんのこと、ジュディス・ビオーストの『サウスポー』もおすすめ。
文面にぴったりの挿絵、つむじ曲がりのふたりの幼い恋の行方… 
センスが光る一冊です。

さて、あたしのイチオシは『がまくんとかえるくん』シリーズ。有名すぎる絵本です。
バレンタインは本来大切なひとへ思いを伝えたり、贈りものをする日だもの。
男同士だっていいじゃん!  

この2匹、身近な誰かと誰かに似ていませんか? スローながまくんって、なんだか
伴侶に似てるみたい。でも案外彼のほうは、「ぼくはスマートなかえるくんタイプだ」
なーんて思っているのかも。

児童室へ入ると、こころなしか時の流れがゆったりしています。慌ただしい日々、
子どもの本を開いてみませんか。

誰かと一緒に。ときには、ひとりで。


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by udonge7030 | 2013-02-13 17:09 | 未司書の世界

ごびらっふの独白

幸福というものはたわいなくつていいものだ。

おれはいま土のなかの靄のような幸福につつまれてゐる。

地上の夏の大歓喜の。

夜ひる眠らない馬力のはてに暗闇の中の世界がくる。

みんな孤独で。

みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。

うつらうつらの日をすごすことは幸福である。

この設計は神に通ずるわれわれの。

じゅら紀の先祖がやつてくれた。

考へることをしないこと。

素直なこと。

夢を見ること。

地上の動物のなかで最も永い歴史をわれわれがもつてゐるということは

平凡ではあるが偉大である。

と俺は思ふ。

悲劇とか痛憤とかそんな道程のことではない。

われわれはただたわいない幸福をこそうれしいとする。

ああ虹が。

おれの孤独に虹がみえる。

おれの単簡な脳の組織は。

言わば即ち天である。

美しい虹だ。

ばらあら ばらあ。



『ごびらっふの独白 日本語訳』 草野心平


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by udonge7030 | 2013-01-11 09:42 | 未司書の世界

おかあさんは わたしを 生んだの

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おかあさんは わたしを 生んだの

それから  

わたしを育てたの

それから

わたしのために泣いたの

それから

それからあとはいえないの



『日本語を味わう名詩入門 サトウハチロー』 あすなろ書房
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by udonge7030 | 2013-01-10 20:43 | 未司書の世界


酒と 歌が あるから