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桜梅桃李



暑中お見舞い申し上げます

暑中お見舞い申し上げます_c0234001_2158918.jpg根津美にて




























子どもたちの夏休み。
仕事が休みなので、早朝家族で近所のごみ拾いをした。
私有地はそれほど汚れておらず、沿道の植え込みの下にけっこう見つかる。

空き缶 ペットボトル たばこの吸い殻 弁当の空きがら 鳥の羽 紙ごみ
アイスの袋 なぜかユニ〇ロのブリーフの台紙(離れたところにいくつかあった)

空き缶の中にはもれなくダンゴムシが入っている。生きてるの死んでるの、残らず出てください。
燃えるの 燃えないの 資源ごみ 分別してそれぞれ袋に入れる。
中三の一子は腕組みしており、あまり働かない。ついてくるだけマシだ。
小学生ふたりは父親からジュースを買ってもらえるせいか、単純なのか、熱心だ。

キリがない。こんなことしてなんになるのか。
わが家は分別には厳しいので、子どもたちも引き継いでくれたらうれしいし、
ポイ捨てなんてもってのほかと思ってくれたらうれしいが、そんなのあたりまえじゃん。

いいことだから気もちがいいなんて全然思わない。
ごみの中に見たことのない虫がいて、虫好きの自分でさえも正直気もち悪い。
虫を殺したくないので熱心に取り除く。

ごみ拾いを言い出したのは伴侶だ。彼は、ただやってみたかったのだと言った。
諍いの絶えない家族が小一時間、一緒に同じことをやる。
しいて言えば、それがやる意義だ。

きょうは、原爆の日。
西瓜を食べながら、式典の様子をテレビで観る。
松井市長は勇気と説得力のあるスピーチをした。

少し前に投票率の低さを嘆く記事を書いたが、実はあたしも政治にはあまり期待してない。
できることは投票ぐらいだからしているのだ。ひとにはあまり期待しないが、
少しでも信じたほうがわくわくするから選挙へ行くのだ。

この国は衰退してゆくだろう。格差はなくならない。
そう思っている自分に一番失望しているのかもしれない。

松井市長はスピーチの中で、ある原爆孤児の方の
「生きていてよかったと思うことは一度もなかった」という思いを紹介してくださった。

あたしは恵まれている。平和ぼけ、ボケボケなのにこころの余裕がない。
大人が希望を持てなくて、子どもになにを伝えられるのか。
どんなにあほらしくても欲望や目標は大切なんだ。

長男は受験生。部活と遊びに明け暮れていたので、いまだに志望校が決まっていない。
焦っているのは親だけ。きょう、ようやく夏期講習へ通うお膳立てができた。

なんのために勉強するんだろう。なんのための高校、大学?
明確に伝えられる大人は何人いるだろう。
この国の子どもは、努力すれば何でも叶うと教えられて育つが、
いまや大学を出ても就職できず、自殺する者さえいる。

なんのために働くのか。なんのために生きるのか。
ごみを拾いながら、自分の声を聴く。

なおた~ん、ごみ拾いもいいけど、うちの要らないものを捨てましょ。
庭の手入れもしなくちゃね♪


平和は自分の中に 家庭の中に 地域の中に 対話の中にある。
その波紋を少しでも広げてゆきたいと願う日。

暑中お見舞い申し上げます。
by udonge7030 | 2013-08-06 11:29 | 日々のあわ
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酒と 歌が あるから